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奨学金

友人Tさんの支援で始まったチェンマイ女性刑務所の受刑者の子女への奨学金授与も来年で4期目になります。 ここ数日は受給者の選考のため応募してきたその母親たちをインタビューするため刑務所に出向いていました。


刑務所に任せていた年間20人の受給者選考に直接関与するのは今年が初めてです。それまでは授与の段階で子どもたちや保護者に会って母親たちの様子を聞くにとどまっていたのです。いままでも何度も刑務所を訪れていますが、施設で預かっている子どもの母親たちと話すのを除いては受刑者と直接接する機会はありませんでした。


そして今回のように合計で40人以上の応募してきた人たちの家庭の事情や、逮捕に至ったいきさつを聞くことはとても平常心でいられることではないというのに気づきました。事務所に帰って少し落ち着いてみると、いつもの疲れ方ではない脱力感のような疲れを感じるのです。エネルギーを奪いとられると言えばいいのでしょうか。

このブログでは何度も書いていますがタイの薬物所持や使用にはそれはそれは重い刑が科せられます。今日会った母親の一人は覚醒剤3,000錠の運び屋をしているところをつかまり、50年の刑に服しています。

想像もつかない本人のそんな人生の過ごし方や、親と突然離れ離れになってしまった子ども達のことに思いをめぐらせることがその疲れの原因であるのは分かっています。


だからと言っていままでもその現実に手をこまねいてきたわけではありません。受刑者のための識字教育、子弟への奨学金授与や事情によっては施設でその子ども達を預かるということで救済を図ってきました。でも増え続ける絶対多数と負の連鎖の前ではなすすべもないと思わせられてしまうのです。
by karihaha | 2009-09-16 07:03 | ブログ | Comments(0)
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