非日常

ジェームが昨夜逝きました。

父親に苦渋の決断をさせることもなく、脳死患者がたどると言われる症状をたどって、器械で動かされていた最後の砦とも言うべき心臓が停止しました。

16才と5ヶ月でした。


大病院の今朝の遺体引取り所には遺族とおぼしき方々が集まっていました。私たちと同じように、愛する者を連れ帰るのを待つ人々です。 ジェームは事故死ということで検視解剖が行われているとか。 

順番が来て、病院の係り官に身を清められたジェームが用意したお棺に納められました。 若い彼には『一番似合わない場所』と直感的に思った場所に横たわりました。

これから3日間のお通夜を経て、今週土曜日に荼毘に付されるまではジェームと家族だけの時間は望めそうもないようです。


脳死状態という現代医学の進歩が生み出した時間は、家族と逝く人とが向き合うことが許されるためのものでもあるのでしょうか。 少なくともおばは事態を認めようとし、非日常であろうが対処せねばという気力が湧いてきているように思えます。そうすることで彼女の精神のバランスを保とうとしています。

それでも、彼女の愛した息子は愛や智を打ち負かした『肉』ゆえに暴力的に連れ去られてしまった、その現実を受け入れられるのはまだまだ時間がかかるでしょう。


一方、家に帰るジェームを見送ったわたしは、急ぎでもない翻訳作業に没頭しようとしています。
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by karihaha | 2012-03-07 23:04 | ブログ | Comments(0)
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