先日、『ビルマの現況』を議題にしたセミナーがあり、私も参加してきました。 会場はチェンマイ大学社会学部の一室でしたが、入りきれないほどの参加者で大盛況でした、当日参加した人々はいわゆる学識者や専門家よりは、私も含めて一般の、ビルマに関心を持つ人が多数を占めていました。
私の場合は、いまやっている活動のターゲットがビルマの被抑圧民族に重きを置いていることもあり、去年の経済を含む民主政へ移管したビルマが今後どのような政策をうちだすのかに興味があります。それと民主化に伴うビルマ政府の新政策が、多数の少数民族に対する政策に変化を与えるのか、具体的には、タイに300万人いるとも言われるこれらの人々が帰国して、ビルマ族と同じ権利を有し、保護されるのかに関心があります。
レクチャーの結果、残念ながらこの変革はいまのところ外貨誘致の経済面に顕著な変化があるのみで、人権問題、特に人口の30%に及ぶ多数の民族への差別・弾圧・迫害の歴史はいまも継続しているとのことでした。
ビルマではいまも外国人の立ち入りが厳しく制限されている、少数民族が大多数を占めるカチン州、チン州、アラカン州があり、そこでは軍隊主導の抑圧行為が秘かに行われています。その典型的手法には村の焼き討ち、略奪、婦女暴行、強制労働、宗教差別があります。
1962年以来軍政であったビルマが50年ぶりに民政に移行したとはいえ、「早すぎる楽観視は危険」との講師の言葉が耳に残ります。