転任

メーオーナイ村のシン校長が新任地に赴任したのは去年11月の2学期からのこと。

山岳少数民族が大多数を占める、山間部にあるこの学校は、生徒の学力以前の問題が山積みでした。 居住環境、父兄への教育への啓蒙活動、生徒の出席率。短期間に着々と課題にとりくんでいました。

ところが、この6月からまた転任することになったのです。ある学校が存続を問われる危機的な状況になり、その問題解決のために抜擢されてしまったのです。

シン校長はもとより、私もこの学校が大好きでした。私の場合は、北タイの山間部の田園風景の美しさを凝縮したような立地に魅せられたのが主な理由ですが、校長は全てに恵まれないこの地で学ぶ生徒たちのためにと、やりがいを感じたのが第一の理由でしょう。今回の突然の転任に皆が驚き、惜しんだのですが、それは生徒たちも例外ではありませんでした。

先生が転任した日、生徒の一人から電話がありました。 彼女は私の奨学金プログラムの生徒の一人です。リス族で中学3年生、生徒会副会長をしています。 ひとしきり校長先生の話をしたあと、躊躇いがちに奨学金の話をきり出しました。

校長先生が転任しても奨学金を継続してもらえるのか、と聞いてきたのです。 私とシン校長とは友人に近い関係で、そのためもあってスタートした奨学金です。 その事情を知っている生徒が心配したのでしょう、多分奨学生5人全員の代表として、勇気をもって電話してきてくれたのでしょう。

そういう生徒が好きです。 与えられるのを待つのではなく、貰えなくても『マイペンライ』ではなく、現実の変化をしっかりと自分のこととして受け止め、対処しようとしている。

「もちろん約束した期間は継続するよ」と言うと、ホッとした様子が感じ取れました。

それにしても、6ヶ月間は短かすぎます。新任地の父兄が是非にと要望したらしいのですが、今度はいままでの学校の父兄や、地域の住民が教育委員会に陳情に行くという騒動になっているとか。

人気があると言ってしまえばそれまでですが、何より、学校と地域になにか良い変化があると予感していただけに、残念でなりまりません。

今度の学校は幹線道路沿いの、設備もかなり整った学校です。今回の人事ではまたまた弱者が置き去りにされたと思えてなりません。
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by karihaha | 2013-06-16 17:42 | ブログ | Comments(0)
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