面会

明日8月12日はタイ国王のお后、シリキット王妃の81歳のお誕生日であると同時に、母の日でもあります。

父の日(国王の誕生日)、子どもの日と並んで重要なこの日は国民の祝日でもあり、様々な行事が繰り広げられますが、その中に女性刑務所の受刑者とガラス越しではなく、刑務所内部で直接面会できるという企画があります。前職にいる間は受刑者の教育プログラムという形で支援していた縁で、財団の子どもたちのうち母親が服役中の数人を連れて面会に行ったことがあります。


Namuuに再会した後、この一年に一度の機会を利用して母娘を会わせてあげたいと思い、その日程を聞くために刑務所に出かけました。市内にあった刑務所が引っ越したのは以前男性刑務所があった場所で、ここでも一度子どもと父親の面会に立ち会ったことがあります。

でもこの日は『母の日』の企画を聞くためだけのつもりだったので、係官に問い合わせると、直接面会できる受刑者の家族にはその旨文書で通知しているとのことで、すべての受刑者がその恩恵に属する訳ではないと分かりました。そのあと係官が面会をするのかと聞きます。 

正直言って母親に会うのにはためらいがありました。子ども2人の母親でありながら、また麻薬に手を染めた彼女に会って何を話したらよいのか。Namuuの寂しそうな様子を見た後では怒りに似た感情もあるのも事実です。

それでもやっぱり会っておかねばと、手続きを済ませ決められた席番号で待っていると、ガラスの向こうに母親が座りました。以前見たまま、やつれてもおらずうっすら化粧さえしています。思いがけない人間の突然の面会に少し驚いた様子をみせましたが、15分間という制限時間の中、主に私が質問をする形で話が始まりました。

『2010年6月9日に恩赦も含めて刑期を終えたあと、チェンライの兄宅にしばらく身を寄せたあと、ハンドン市の工場勤務をした。しばらくしてNamuuと一緒に暮らすようになったが給与が低く、結局は辞め2012年1月に再びチェンライの兄宅に行った。しかし兄夫婦の夫婦仲が悪く、結局は亡き母(祖母)の再婚先の村に戻った(ここは麻薬汚染で有名で初犯で捕まった場所)。そして一ヶ月もしない2012年6月3日、覚醒剤の運び屋として逮捕された。そのときは覚醒剤1,000錠を所持しており、刑期は25年となった』

その後Namuuはおじに引き取られたあと、今年5月からは再びチェンマイに移り住んできたというわけです。

母親はNamuuがチェンマイにいることを知りませんでした。4月に一度面会に来たきり会っておらず、何の情報も入ってこないと言うのです。

一応私が奨学金等で支援をするからと言うと、「一度娘を連れて来て欲しい」と言い、その時初めて涙を浮かべました。 出所日、逮捕日をあれほど正確に覚えているということは刑務所内での必要に加えて、いまの彼女が置かれている立場の楔のようなものだからでしょう。 


初犯のように刑期2年ということであれば、730日間は一日千秋の思いで過ごすことになっても想像の範疇に入りますが、25年などとは。。 一度入ってつらい思いをした人間が犯した賭けは、家族を含めてあまりにも大きな代償を伴うという自覚さえなかったのでしょうか。
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by karihaha | 2013-08-11 17:09 | ブログ | Comments(0)
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