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虫の知らせ?

『虫が知らせる』ということはやはり本当にあることなのでしょうか?

最近妙に気にかかると思った子どもの一人に、母親が麻薬関連で25年の刑を服役中のNamuuがいました。 3年ぶりに会った彼女は、一人で遠い親戚の子守りや家事の手伝いをしながら、学校に通う生活を余儀なくされていました。 その事実を知ったとき、再会できて良かったと心から思いました。

そしてもう一人しきりに思い出す子どもに、3年前に私が当時働いていた財団を出て母親のもとに帰った少女Booがいます。彼女の下には2人の妹がおり、病気がちな母親の手助けをして妹たちの面倒を見るために帰宅を薦め、その代わり財団から3人姉妹全員に高校3年生までの奨学金を約束しました。しかしその後間もなく退職したため、その後のコンタクトはありませんでした。


最近になってなぜかこの3姉妹のことが気にかかってきました。Booの学校は幹線道路から外れているため、車の運転のできない私にはアクセスのしにくい場所ということもあり、足が遠のいていたのですが、協力してくれる車を持つ友人のお陰で、今日やっと念願がかないました。

訪ねた学校はたまたま職員の都合で休校でしたが、宿直の先生から彼女の住所と電話番号を手に入れることができました。道を尋ね尋ねたどり着いたその村は、学校からでも20kmほどの山間部にあり、親子はHIVで亡くなった母親の再婚相手が建てたブロック積みの家に住んでいました。母親は常に職を転々とし、私の知る限りの最後は今住む村から反対方向にあるトレッキング客相手のゲスト・ハウス勤めでした。 その後家賃のかからないこの地に戻ってきたのでしょう。

Booは3年ぶりに突然現れた私に驚いた様子も見せず、いまの家族の事情を淡々と語ってくれました。

『母親は近所のゾウ園で働き、その収入は月四千バーツ(1万2千円)ぐらい。でも病気が進行(HIV?)しても、タイ国籍がないため国民健康保険加入の資格がなく、実費になってしまう治療費を払えないせいで悪くなるばかり。一方財団からのBooへの奨学金は中学3年生をもって打ち切られ、小学生の妹の分も「対象は中学生のみという方針に変わった」と打ち切られた。そのため母親はBooに、いまの高校1年生を最後に退学するように言っている』


財団の非情とも言える態度に少なからぬ怒りを覚えつつも、いまやるべきことは、将来必ず一家の大黒柱になることを運命づけられているBooの学業を中断させないことです。 そのためにまずは来週再び学校に行き、先生と奨学金を含めての話をすることを約束しました。その他にも母親がいよいよ働けなくなった時の家計をどうするかという問題もあります。

私の退職後に起こった事情の変化とは言え、「家に帰すべきではなかったのか」とNamuuのときと同じような後悔に似た気持もありますが、過去のことを悔いても仕方ありません。これからはこの心細げな3人姉妹に寄りそっていってあげようと気持を奮い立たせています。
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by karihaha | 2013-08-30 23:39 | ブログ | Comments(0)
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