人気ブログランキング | 話題のタグを見る

小児病棟から(86) 手術

 今日はテンの手術日。午後に予定されているその手術の前の時間、本人は預かり知らぬこととはいえ、少しでも側にいてやりたくて早い目に出かけることにした。

 病棟に入ると、偶然テンが手術室に向かうところに出くわした。午前中に変更になったようだ。

 
 手術にも希望の持てるものと、そうでないものがある。今回のはマイナス要因を除去する、つまり炎症を起こしたシャントを取り除くためという、気の重くなるような原因のため、手術室の前で待つ間も気持ちが沈む。

 付き添いは私だけ、おばに連絡しておいたのに姿を現さない。


 手術室から時折泣き声が聞こえる。

 『お腹がすいた。オシメが濡れている。眠い。少し熱がある。お腹が痛い』

 そんな、赤ん坊のコミュニケーション方法の一つ、「泣く」という行為。

 彼女の場合は、それ以外に、
 
 『痛い、息が出来ない、のどがからから』と泣く。


 妊娠中絶を試みた母親のせいで、1.1kgの未熟児出生のあと、生後3ヶ月間を集中治療室で過ごす。

 生後7ヶ月目の彼女はすでに4回の頭部手術を経験し、手術前の絶食、呼吸停止、毎日の注射と薬という日々を重ねている。


 手術が終わり、病棟に戻ってきたテンは目をパッチリ開けていた。

 つらい試練を耐えているそんなテンに私が出来ることは、そばにいてぎゅっと抱きしめてあげることだけ。
by karihaha | 2005-07-04 10:31 | 小児病棟から | Comments(2)
Commented by マイ at 2005-07-04 22:39 x
はじめまして。チェンマイさん♪
以前から拝見しておりました。マイと申します。
いつも何かコメントを残したいと思いつつ、何を書いたらよいのやら、悩んでしまい、書けずじまいでした。
テンちゃん頑張って!セームもビクタージュニアもアナンもみんな、みんな頑張って!
そしてチェンマイさんも!
日本からずっと応援しています。
Commented by karihaha at 2005-07-05 02:32
ありがとうございます。お読みいただいているだけで励まされます。
子どもたちにもちゃんとメッセージを伝えますね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。



<< お宝 「海外=金持ち=幸せ」? >>