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 セームのことが気になる。Vホームに行く日が正式に決まれば、連絡をくれるようにと言ってはあるが、念のため先週末ジョムトンの病院に電話を入れてみると、まだ病院にいるとのことだった。

 医者を始め、セームのいた村の村長や村の役員との最終の話し合いからもう2週間近く経つ。

 Vホームが書類を作成するのに手間取っているのだろうが、あの「密室」で行われていることを推し量るすべはない。

 
 病院からの帰りに乗ったソンテウの車内で、偶然、Vホームのスタッフと出会った。セームの件を最初に相談に言ったときに話し合った人物だ。

 その後の事情を説明し、今の手続きはどのような段階にあるのかを聞いてみた。すると、彼女の答えは、「私は直接の担当者ではないから、何も分からない」。プチンと音がしそうに会話が途切れる。

 「マイペンライ(もういいです)」と言いつつ、「やっぱり」という失望と怒りを感じる。

 
 一人の子どもが、確実に一生を左右する事態に身を置いている。そして一方では一人の外国人が少なからぬ尽力で、何とか子どものためになるようにと努力している。

 そんな状況に何の興味を示そうともしないその人物は、『児童養護施設』という組織の職員である。本来なら、子どもに関わる全ての事象に関心を払うべき立場にいる人の筈なのに…

 
 セームの手を引き、「動かぬ人々」の間を突破する。そんないまの心境。
by karihaha | 2005-07-26 06:11 | ブログ | Comments(0)
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