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NokとMaai

ソンクランが明けてすぐ、チェンマイからおよそ400キロ離れたモン族の集落に住む姉妹を訪ねてちょっとした小旅行をしてきました。片道8時間のバスの旅です。

彼女たちとはまだ前職に就いていたときに出会い、財団で引き取ることにした経緯があります。家庭環境は、モン族特有(?)の一夫多妻を容認している環境で、父親は少女たちの母親を第2夫人にしました。第一夫人と同じ敷地の別棟で暮らしていた母親は出会う数ヶ月前に薬物売買の罪で拘束され、いまもチェンマイ刑務所で服役しています。父親はそれ以前に捕まっていたため、少女たちとその弟の3人兄弟は第一夫人の庇護のもとに暮らしていました。これもモン族の慣習で男の子を重用する中、最終的に女の子たちだけを引き取ることになりました。弟は第一夫人のもとに残ったのです。

あれから6年、10才と12才になった少女たちが財団から3年前に出所していた父親のもとに帰されたと聞きました。来期は小学校5年と6年という中途半端な時期、まだ服役中の母親は出所しても父親のもとには帰らず、チェンマイの姉宅に身を寄せるとかねがね聞いていたことを考えると、何か特別な事情があったのだと直感しました。


父親と第一夫人との話で危惧していたことが現実になったのだと分かりました。大人同士の行き違いで、財団から子供たちが‘追い出される’ことになってしまったのです。いままでも色々とあまり芳しくないうわさを耳にしてはいましたが、今回はどう考えても財団の行き過ぎの行為です。大人同士の『ケンカ』に子供が巻き込まれてしまっています。 財団は親族と一緒にいられるメリットを強調したらしいのですが、母親の気持を考えると、あと数年で出所した時点で親子が離れ離れになる要素をはらむ決断です。

そして少女が村に残るということは、モン族の風習、早婚・出産の危険にさらされるということです。その他に村全体が麻薬汚染地帯としていわゆる『レッドゾーン』に指定されていることも大きな不安要素です。

話し合いの結果、少女たちがチェンマイに戻ることに同意してもらえました。一番の難題は彼女たちの落ち着き先ですが、Namuuが身を寄せている財団で引き取ってもらえることになり、学校も復学を認めてもらえました。


今回訪問して分かったのは、たとえ父親と第一夫人二人とも少女たちを愛しているとは言え、経済的な問題で少女たちの存在に困り果てていたのが明らかでした。そして実の母親も出所後新たに生活を構築していかなければならない現実の前では、少女たちを過不足なく養育するのは困難でしょう。だからこそ余計に、少女たちが今後10年近くを幸せに暮らせる環境に身をおけるよう、いままでのように大人の都合に振りまわされる人生とは一線を画させてあげたいと思っています。
by karihaha | 2015-05-03 18:13 | ブログ | Comments(0)
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