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手術同意書

 テンがCTスキャンを受ける朝。6時から絶食になった。8時前にはおばが来て、同意書にサインする。こういう時の私はサインの権利もない、「役立たず」。

 でも、この役立たずさ加減ギリギリのところで、救いを感じたり、「逃げ」を打っているのも確か。これについては文句を言う筋合いではない。

 予定通り9時前には迎えが来て、レントゲン室に向かう。事前にのまされた麻酔薬を半分以上吐いてしまい、ダブルで処方されてしまったテンはグッスリと眠っている。

 「毎晩飲ましてやって」と看護師に言ったのは、冗談にせよ昨夜の恨み(?)からだよ、テンちゃん。


 レントゲン室前はいっぱいの人。しかしCTは思ったより早く終わった。テンはこのまま病棟に戻り、麻酔が覚めるのを待って夕刻帰宅の予定だ。

 私は、テンをおばに預けて一旦帰宅した。水シャワーしかない病棟では、洗った気がしない。そしてそれ以上に少し眠りたい。


 午後3時過ぎ病院に戻ると、おばが、「すぐに手術だって」と言った。CTスキャンの結果、一刻を争うほど危険な状態にあるらしく、今夜か明日、早朝の手術が宣告されたそうだ。

 でも、おばは、手術同意書にサインするが早いか、「息子が心配。仕事がある」といういつもの台詞を残して帰っていった。


 再び絶食がスタートしたテンと私だけが、希望通り入った付き添い不要の部屋に残された。

 時間は刻々と過ぎていくが、手術のお呼びがかからない。看護師によると、交通事故などの緊急手術が入れば、後回しにされるとのことだった。

 午後9時過ぎ、体力の限界でギブアップ。もし、手術が翌朝であれば、7時過ぎが一番早いラウンドとのことで、その時間帯に来ることを約して帰宅することにする。

 万一夜中に手術が行われれば、テンは一人で手術室に向かうことになる。

 手術同意書にサインを出来ない人間が、こんな状況を取捨選択しながらおよそ2年間という日々を過ごしてきた。


 自宅につくやいなや、携帯が鳴った。おばからだった。いつものワン切り。手術が行われたかどうか知りたいのだろう。

 「電話代を使いすぎるとおじにしかられるから」と言い続けて、この習慣を止めない。

 いつもならコールバックしてしまうが、今日はするもんか。
by karihaha | 2005-08-21 00:52 | ブログ | Comments(0)
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