人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ソンテウ大好き! No.2

 ソンテウ大好き人間の私でも、さすがにネタが2度目となると少しはためらう。

 「でもやっぱり書きたい」。

 横並びのソンテウの座席一列には女性の場合で、多くて7人ぐらいが座れる。運転手は出来るだけ多くの乗客を乗せたいので、客をつめこむ。どんどん乗ってくる乗客をどのように座らせるかは既得権のある乗客の腕にかかっている。

 今日の「仕切り担当」は若い女性。ソンテウの中に必ずと言っていいほどいる「座席調節係」。余裕のある座り方をしている人に指図して詰めるようにいう乗客だ。

 他の乗客は暗黙の了解で認めたその‘指図屋’の指示に従わなければならない。日本のようにたぬき寝入りを決め込む人などいない。

 一席の余裕もないのに、若い男性が座っていようものなら、全員の目が彼のほうを向く。「アウト」。言われるまでもなく彼は席をたち、外の立ち席で風に吹かれながら旅を続ける。

 今日のN県立病院からの帰りのソンテウにはかろうじて乗り込めた。私が乗った時点で各列6人ずつ。皆の緊張が伝わってくる。すぐにフラッグダウンされて、乗り込んできたのは年配の男性。そこで仕切り屋の真骨頂が発揮された。「はい、あなた少し詰めて。そうあなた」。

 その男性がかろうじて座ると、皆がホッとしたように笑顔を交わす。またすぐに止まって一人降りた。仕切り屋が空いた席にくだんの年配の男性を誘導し、「やれやれ少し楽ですね」とばかりに再び全員が笑みを交わす。

 しかし一難去ってまた一難。こんどは2人の母娘づれが乗り込んできた。年配の男性が恰幅のいい人で、一人分のスペースも空いていない。でも今日の仕切り屋はその道では達人と見た。なんとか座らせてしまったのだ。母親は「みなさんお優しい」と言いながら、隣の人の太股につかまりながら、必死で揺れに耐えていた。

 前にも書いたが、荷物を持って‘外席’で風に吹かれている人がいれば、必ず「持ちますよ」と声を掛け合い、大荷物を持った人が降りるときは、バケツリレー式に荷物を外に出す。

 私がなぜこれほどまでにソンテウが好きか、お分かりいただけますよね。
by karihaha | 2005-09-19 02:29 | ブログ | Comments(3)
Commented by pirimiso at 2005-09-20 01:04
うわぁ~ めっちゃ楽しそうですね。
生まれ変わったら(?)テンソウの仕切りやオバサンになりたいなー!
みんなで、小さなテンソウの中のひと時のコミュニティを
大事にしてる感じが、すごく温かいですね。 いいな~
子どもたちを巡る難しい局面を粘り強く切り抜けて行くパワーは、
こういう日常のタイ生活での観察を通して
身につけられたのかもしれないなあ・・・ 
と、勝手に想像してしまいました。
Commented by karihaha at 2005-09-20 11:11
そのほかにも、まだまだ色々と’大好き!’な理由があるんですよ。目が合うとニッコリ、とか見知らぬ人同士ですぐに会話が始まるとか。あの車内はタイ人のいいところが凝縮している場所かもしれませんね。ちなみに、ソンテウ(テンソウではありません(笑))とはソン(グ)=2、とテウ=列というタイ語からできた言葉です。日本の通勤電車とは違い、ひざとひざと突き合わせるぐらいの空間だからこそ、生まれるあの雰囲気かなといま気づきました。
Commented by pirimiso at 2005-09-21 00:42
「ソンテウ」ですね。そそっかしくてハズカシー! 
静かな怒りに満ち満ちた通勤ラッシュの空間・・・
思い出したらクラッとしました。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。



<< テンが笑った! 小児病棟から(120) 借金(... >>