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クワン

クワン_c0071527_0592849.jpg クワンの障害は思ったより重いと感じている。歩行、発声はおろか、座位やミルクボトルを支えることもままならない。

 以前のブログにも書いたが、タイでは障害者が一生暮らせる施設は皆無に近く、唯一あるのは、バンコック郊外ノンタブリにある、『パクレット』と呼ばれる、政府系の脳性障害を持った孤児及び、遺棄された子どもたちのための施設だけである(もし、他にもあるという情報をお持ちの方は、是非ご一報ください)。 

 成立寸前だった養子縁組も、障害ゆえに2回もキャンセルされ、ジョンの言によると、今後もその可能性は、皆無に等しいか、あったとしても、可能性がないというのを承知の上で不特定期間待機しなければならない。クワン_c0071527_103322.jpg


 以前は、「パクレットだけには絶対にやりたくない」と言っていたのが、昨日会った時点では、その発言が少し変化してきているのに気が付いた。

 「最悪の場合は、やむを得ない」と言うのだ。

 「それを決めるのは、僕ではなく、母親と祖母だ」とも言うのだが、ジョンが手を引いた時点での彼らの選択は目に見えているのだから、それはジョンの決断であり、彼の言うことはただ単に言葉遊びだろう。

 ちなみに、私たちは、時期こそ違え、二人ともパクレットを訪問したことがある。語弊があるのを承知で言えば、障害の度合いによっては、『障害者の捨て場』という共通の認識を持った。

 
 「一年間という約束だったんだから、もう期限は来た」とも言う。いつそんな約束をしたっけ?


 自分の状況から見てもどうしようもない。その前提で、色々可能性をあたっているが、いまはそのどれも上手くいかない。その切羽詰った気持を、そんな言葉遊びで晴らしているのだろう。そう思いたい。

 ジョンには内緒にしているが、私には一人、クワンを預かってくれるのでは? と期待している人がいた。

 健常児のアームならば、将来万一の事情が生じたら必ずお願いできるかもしれないという意味で、全幅の信頼を置いているこの人物には、以前クワンの話も少ししてある。

 今日久しぶりに会ったクワンは、私の想像をはるかに超えた障害度があると思えた。そうすると、その方にお願いするのも難しいだろう…


 タイのような国では、障害者が生きていくのには、家族の支援と愛が必須なのだ、それ以外に彼らが生きていく道はあまりにも険しい。
by karihaha | 2005-11-05 01:03 | ブログ | Comments(0)
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