カテゴリ:養子縁組( 4 )

『3度目の正直』ならず。

 「3度目の正直」という言葉は、自分がアクティブに実行できるのであれば実現性も高いのかもしれないが、他力本願の場合は、その言葉に願いを込めて、「頼むよ、頼むよ」とひたすら運を天に任せながら、自分に言い聞かせるというところがある。

 クワンの「3度目の正直」は私たちの祈りが足りなかったのか、実現しなかった。一旦養子縁組が決まっていた、ドイツ人家族が断ってきたそうだ。

 つい先日など、6ヶ月から1年かかると言われていた手続きが、4~6ヶ月で済みそうと、仲介エージェントから連絡があり、ジョンを喜ばせ、かつ寂しがらせたばかりだったのに…。


 これで養子縁組が振り出しに戻ったばかりか、いままでの経緯を考慮して、カナダとドイツの斡旋の門は閉じられた。あとはアメリカをあたってみる。そしてそれがダメなら養子斡旋不適格という烙印が押されてしまう。

 さて、これからどうするのか? とりあえずアメリカに希望をつないで、それがダメだったら? 

 日本と違ってここタイでは、身寄りのない障害者の生きる道は険しい。エージェントはしかるべくホームに入所させることも出来ると言っているらしいが、あのPホーム以外に私立のそのような施設があるのだろうか?

 独身男性は養親資格がないのだが、その辺は何とかして、ジョンが養子にしてしまう。それしかもうないと思うのだが。


 「いまの僕には人生がない。クワンの人生に沿っているだけ。56歳の独身男性のすることじゃない」

 いつものジョン節でなげく彼に対し、こちらの思い過ごしか、ことさら嬉しそうに映ったクワン。


 ちなみにクワンの養子縁組を斡旋しているのは、タイ政府が公認している4つのエージェント (詳しくはこちら)の一つなのだが、その内、 Holt International Foundation(Sahathai Foundation)の情報によると、子どもの出身国によって違うが、平均およそ15,000~20,000ドルの斡旋費用が養親希望者の負担となるそうだ。

 すべて自分で手続きをすれば、これもグーンと削減できるのだが、お役所相手の書類の山を一人でこなしていくよりは、と多くの希望者がこのルートをとるようだ。

 
 たとえNGOとは言え、思いがけない高額な費用に驚く私に、「ずっと欲しかった子どもが、車一台分ぐらいの費用で手に入るんだから安いものだ」、とまたまた『ジョン節』が炸裂した。おいおい、車代にたとえるなよ!

 「でも子どもの方がメンテナンスの手間がかかるよ。それで苦労してんでしょ」 とは言わなかったけどね。
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by karihaha | 2006-04-12 11:34 | 養子縁組 | Comments(0)

養子縁組

 養子縁組について読者の方から質問をいただきました。

 サクッとした情報は、2005年8月14日付けのこのブログに掲載してあります。英文の資料を、自慢(?)の翻訳力で邦訳したものです。ご興味のある方は参考になさってください。

 それにしても、あの頃の私ってマメやったなーと、自画自賛ならぬ自画‘大’絶賛。



 その方の質問に関連して、少し前述の記事に追加します、これ以降の文は真面目に書くつもりです。

 養子縁組希望をする場合は、基本的には性別やその他の条件を提示できないのが普通なのですが、現状の養親希望者の希望条件の最大公約数としては、出来るだけ年少で女児というのがあります。

 一生面倒をみていく、それならば遺伝的要素を是認しながらも、環境的な影響力を保ちながら育てていきたい。その気持ちはよく分かります。ミルクの臭いがする赤ん坊はなにものにも代えがたいと思わせられます。

 女児という条件は、やはり育てやすいということもあるのでしょうか?

 一方クワンのような障害者や、6歳以上の子どもでも良いという提示をすると、特例のケースとして比較的早い時期に養子縁組の紹介があるようです。


 私の周りには何人も養子に出したい子どもがいます。施設に置く、それは特別のケースを除いて、やはり不自然なことだと思っています。

 私の知っているのはタイのシステムですが、送り出す大人たちは、子どもたちの将来のために最善を尽くしている。かたや何年待ってでも育ててみたい。そんな風に思っている方たちが列をなして子どもたちを切望している。そんな養親希望の方たちの志も尊敬に値する。そう思う気持ちに揺るぎはありません。


 『家族』

 手を差し伸べる人がいる、その温かい腕に早く抱かれて欲しい。そんな多くの子どもたちを知っている私は、双方が少しずつ歩み寄ることが出来ないのかと、ジレンマを感じるこの頃です。
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by karihaha | 2006-01-23 23:44 | 養子縁組 | Comments(4)

養子

 アームがVホームで保護されていると知ってから数日後、母親から電話があった。

 その日の昼過ぎ、ジョンがアームを送り届けた母親の姉の家まで行き、事情を確かめようとした。言葉の出来ない(何度も繰り替えしてゴメン!)彼は、姉の言うことが勿論わからない。代わって電話に出た私に姉は、アームは祖母の家にいると言った。

 そんな筈はない。Vホームにいるのは確かだと、祖母の電話番号を聞きだした(母親の携帯は、洪水で使えなくなったといい続けている)。夕方以降に電話してくれと言われ、時間待ちをしている間の、母親からの電話だった。


 「一日面倒をみましたが、とても無理(!!)と思い、Vホームに連れて行きました」

 (当日に連れて行っているはずだけど…)

 「12月に引き取ると合意していたのに、ジョンの友達のタイ人が、すぐに引き取れと矢の催促でどうしようもなかった」

 (他の里親を紹介するというのを断ってまで引き取ったのは誰? 引き取った当日も、一緒に住める家を捜している、昼間は保育園に入れるつもりと言っていたのは?)

 「ずっと預けるわけではなく、たったの6ヶ月です」

 (祖母が1年と希望したのを断られたのを知っている)

 「ゆっくり話したいので、仕事が終わったらS病院に行きます」

 来なかった…

 
 後日、Vホームの保母さんに調べてもらうと、連れて行ったのは、翌日ではなく、やっぱり引き渡し当日だった。

 このことで、私のためらいに結論がでた。

 「アームは養子になった方が良い」

 私の友人の施設であれば、チェンマイにいながらにして国際的水準の教育を無料で受けられる、その上母親と遠く離れてしまうこともない。そのアイデアは、あくまで母親の素質を信じてのことだった。

 ジョンが育てることに同意した意図は、力を併せてアームの養育をしようということだった。その私たちの当初の目論見からは全く外れ、数回訪問しただけで預けっぱなし状態を続け、いざ引き取るという話になると、自分の母親としての力不足は棚にあげて人を非難する。その上虚言を繰り返す。このような母親では、もう協力する気力さえ失せた。

 今後、彼女に出会う機会があるとしたら、養子縁組を強く勧める、その話し合いをするためだけだろう。
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by karihaha | 2005-11-19 02:09 | 養子縁組 | Comments(0)

養子縁組

 ジョンさん家のクワンがドイツに養子縁組が決まったそうだ。脳性小児麻痺の彼女とジョンの将来を思うと、いまは別れがつらくても、双方にとってこれほど良い将来の展開はないと思う。

 そこで、今日はタイの海外養子縁組について。


 Vホームの資料によると2003年度では51人の子どもたちが養子縁組の対象になった。内16人がタイ人家庭に引き取られ、残り35人が海外に旅立った。

 私が常々言っている、「捨て子は重大な犯罪」という理由はここにもある。子どものルーツを奪ったばかりか、施設に連れてきて相談するというような最低限の義務も履行せずに、責任放棄する。

 これがひいては子どもの養子という可能性を難しくする。なぜなら、養子縁組成立には、実の親あるいは、法的保護責任者の承認署名が重要な条件の一つになっているからだ。

 
 未来の養親が養子縁組を申請する場合は、タイの社会福祉省の管轄局か、海外の場合は、在外公館あるいは、タイ政府から認可された協会を通してするのが普通である。

 今回ジョンから子どもの実の親、特に母親が記入すべき箇所の多い、養子縁組申込書のコピーを入手した。

 この内容を読んで思った、「母親ばかりで、父親の姿が見えてこない」。


 この一連の書類の中に「養育放棄誓約書」というのがある。

『私は当該児童の養育が不可能な状況にあり、変更不可能という条件で、親権と保護権をXXXXX(養子縁組を斡旋する機関名)に委譲します。私はこの児童を養子縁組目的で手放すことをここに誓います。

 私は現在保持する親権を放棄します。この書類に署名することにより、今後いかなる状況においても児童の親権行使の要求をしたり、利益を求めたり出来ないことを了解しています。

 上記の内容は私の母国語で説明され、私はその内容を充分理解し、同意した事を誓います』


 この短い一節は、いままで私が翻訳した中でも、一番気を重くさせたものかもしれない。


*More(続く)に関連書類の全訳を載せています。ご興味のおありの方は、是非お読みください。

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by karihaha | 2005-08-14 00:49 | 養子縁組 | Comments(0)