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繰り返されていること

昨日朝一番に開けた友人からのメールには、彼が単身ながら預かっている2人の身体に障害をもつ孤児のうち生後8週間の女児Jが明け方に急逝したとありました。

望まれずに芽生えた命は、母親(ビルマ難民)がありとあらゆる方法で堕胎を試みたであろうというのが明らかな障害を持って生まれました。口唇口蓋裂、舌の形成不全、両手・両足の形成不全。母親は出産後姿をくらましました。

Jは退院後容態が安定するまで友人が面倒をみ、12月以降は日雇い仕事をしながらJの2人の兄弟の面倒を看ている祖母に引き取られることになっていました。しかし祖母にその責を負わせるのはあまりにも過酷な状況だというのは誰の目にも明らかでした。

まるでそんな事情を理解していたかのような、幼い命の理不尽な旅立ちでした。


その午後同じアパートに住む6ヶ月の女児が意識不明の重態でS病院のICUに運び込まれたと聞きました。この赤ん坊Fはビルマ難民の母親と西洋人のハーフで色がぬけるように白く、いつ出会っても足を止めあやさずにはいられないような可愛い女の子です。2日前に会ったときはいつもと同じ可愛い笑顔を見せてくれていたのに。。。何が起こったのかと取り合えず病院に急ぎました。

ICUの前では母親と、父親とおぼしき人が待っていました。その父親が何故か私に英語で事情を説明し始めました。 『自分はいつもタイにいるのではなく、普段は国で働いて母娘に仕送りをしている。Fは自分にとっては初めての子供でなんとしても助けたい。12月初旬には国に戻る予定だったがこの様子だったら無理かもしれない。実はFは免疫不全が原因で重篤な状態に陥っている。自分には全く問題がないので、母親からのものだ。もし母親がそれを貴女に話す気になって協力を仰ぐようであれば是非よろしくお願いしたい』。英語を解さない母親にとっては私たちの会話の内容を知る由もなかったでしょう。

父親によると母親のHIV感染は妊娠初期に判明していたようです。それでも胎児、新生児への感染防止の方法はいくらでもあります。胎児期は母親による抗HIV薬服用、帝王切開、母乳禁止等々。それらの方法が功を奏してHIV感染者の母から乳児への感染率は現在では3%以下に抑えられているはずです。Fの生まれたのがチェンマイでは一番名声高い病院ですからこれらの処置や指導はあったはずです。

それならなぜFは『いまさら感』をもたざるを得ない母子感染などしてしまったのでしょう。父親がタイを離れているときは相変わらず性産業に従事し、育児を放棄しがちという話を聞いていました。それだけでも母親の致命的な不注意があったと思わざるを得ません。また母親が自省なしに行っている行為でこれから何人の人たちが犠牲になってしまうのでしょう。


HIV、難民問題、性産業、障がい児、ドラッグ。10年前と殆ど変わらない現実でFやJが犠牲になっている。何とももどかしくやるせない現実を再び一度に見せ付けられた一日でした。
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by karihaha | 2011-11-27 17:57 | ブログ | Comments(0)