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2013年のいまも。。

支援先の一つの保育園に入ってきた園児を、先生がFBに載せていました。

『このリス族の少女の両親はなく、祖母を頼って村に移ってきた、寄宿先の親戚は貧しく、支援をお願いしたい』というのがその内容でした。



雨季のいま、スコールは珍しくない日々ですが、今日は朝から日本の梅雨のようなしとしと雨が振る中、その少女に会いに村に行ってみました

先生によると家族はあまりタイ語が通じないとのことでしたが、雨の今日、少女のおじにあたる人も日雇い仕事がなく在宅で、その上その人がビルマ出身のリス族の女性と結婚したタイ人ということで、詳しい事情が分かりました。


おじの家族構成は夫婦と3歳ぐらいの娘。奥さんは妊娠中。 祖母というのは奥さんの叔母にあたり、5年前にタイにわたってきた。 その際に少女の兄といとこにあたる孫二人を連れてきた。 少女の母は生まれてすぐに亡くなり、その後少女の面倒をみていた父親は2ヶ月前に他界した。そのため祖母が再びビルマに帰り、少女を連れてタイ入国をした。


『入国』とは普通考えられる、領域に入りしかるべき入国審査の上、滞在を許可されるというようなものではありません。 前の投稿に書いた70年近く前の中国、国民軍のように徒歩で山を越えて来たのです。昼間は行動を避け、夜間の行軍でタイ国境まで5日間かかったそうです。少女のか細い身体を見ると、よくぞ無事でという思いを禁じえません。


タイ語が全く理解できないのは大きな問題ではないでしょう。子どものことだから数ヶ月で片言以上の域に達するのは簡単だと思います。それより一番の問題は身分を証明すべき何らの書類もないことです。祖母に姓名を聞いても要領を得ません。少女の出生に前後して国を出た祖母や兄にはいたし方ないこと?


将来、あらゆる場面に於いて無国籍者の少女の人生は多難だというのは間違いないでしょう。
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by karihaha | 2013-07-30 00:29 | ブログ | Comments(0)

給食

インドの中でも最も貧しい州の一つとされるビハール州には、その昔お釈迦さまが悟りを開かれた地、ブッダガヤがあることで有名です。

そのビハール州で子どもが犠牲になる凄惨な事件が起きました。

村の小学校で支給された昼食に殺虫剤が混入され、生徒100人あまりのうち、23人が亡くなってしまったのです。この給食を調理した女性は女性校長から支給された『油』を使ったあとの料理の臭いと色に不審を抱き、その旨校長に報告したのですが、「問題ない」と一喝され、同様に生徒たちにも食べるのを強要したそうです。

結果、食べた生徒たちの中には気を失ったり、嘔吐したりという症状が続出したにも関わらず、2時間近く放置し、あげくにはこの校長は夫と共に失踪し、現在も行方がつかめないとか。


その動機は意図的なものなのか、護身を計った上の行動なのか真相の解明を待たねばなりませんが、いくら犯人が捕まろうが、教育者にあるまじき行動ゆえに犠牲になってしまった5歳から12歳までの子どもの命はかえってきません。


インドの給食制度はまだ10年ほどのプロジェクトで、現在1億2千万人前後の生徒がその恩恵を受けているそうです。とは言っても予算の関係で、その『質』は大いに疑問視されていますが、一日一度は暖かい食事を食べられるということで、インド人の半数は栄養不良と言われる状況の中、就学率の向上の一因になったとか。


同じことがタイの学校にも言えます。 小学校の給食予算は一人当たり13バーツが政府から支給されていますが、チェンマイ県でもビルマの経済難民の子弟や、貧しい山岳少数民族を多く抱える学校では、給食の価値は上述のインドの学校と同様に、一日の栄養摂取の大事な部分を占めています。タイの場合はその上に、200ml程度のミルクも無償で支給されています。これらは朝食、夕食をご飯と漬物ですますような子どもたちには大事な栄養源なのです。



本来は子どもの成長を助けるためのプロジェクトが殺人の原因になってしまった今回のケースは、特殊なものとは言え、その目的から考えるとあってはならないことが起こってしまったのです。
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by karihaha | 2013-07-24 18:57 | ブログ | Comments(0)

山を越えて

今月もチェンダオ病院、リハビリ室の理学療法士の出張リハビリに同行させてもらいました。

病院からの出発8時30分に間に合わせるのは、遅くともチェンマイ発6時30分のバスに乗らねばなりません。ということは逆算すると5時前起床。。 『遅寝遅起き』の普段の怠けきった日常にはかなりきついベースです。

それでもなんとか間に合い、寝不足の身体に鞭打ちつつ病院からの車に乗り込みました。まず最初の行く先はチェンダオから更に山奥、ビルマ国境に近い、国民軍残党の中国系住民が大多数を占める村です。文字通り野越え山越えを1時間、先月も訪問した7歳の少年宅では母親と妹も待っていてくれました。

理学療法士がリハビリをする間、母親や可愛い妹と話がはずみました。この家族には他に11歳の姉がおり、村にある学校に通うほか、放課後は中国語を教える学校に行っているとか。テスト結果や教材を見せてくれましたが、漢字のおかげで私にも分かる内容で、そう言えば、地域の保健所や村のいたるところで漢字表記があります。こんなことからも60年以上前に本当に山を越えやってきた中国人なんだと実感できました。


まだ5歳にもなっていない妹がタイ語の文章を大きな声で読んでくれました。彼女の姉も学校でも補習校でも優秀な成績のようです。

しかしタイで生まれた彼らでさえいまもタイ国籍が与えられていません。彼らだけではなく村の学校の500人を超える生徒の大半も同じです。国籍がないとおのずと将来の選択肢も狭くなります。このことは特に、将来障がい者の弟(兄)を支えなければならないこの家族には特に厳しい現実でしょう。

タイ語と中国語ができる彼らはタイにとって有益な人材だと思うのですが。。、この少数民族に限らず、タイの2年後のASEAN共同体創設がらみで、人権面に進捗があるのを期待しているのですが。
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by karihaha | 2013-07-17 20:29 | ブログ | Comments(0)

コミュニティ

タイの学校の多くが、『オオム・サップ』と呼ばれる制度を取り入れています。

生徒たちが毎日持ってくるポケットマネー、つまり昼食を買ったりお菓子を買ったりするために保護者が与えるお金の一部、あるいは残りを学校の自分名義の口座に預け入れるのです。普通は貯まった金額は学年末に一括返金されます。

これは強制力のある制度ではありませんが、生徒には倹約の精神を、そして保護者にとっては毎年必然的にやってくる、新学年あるいは進学の経費をコツコツと準備するのに役立つと言う意味ではなかなか良い制度だと思います。が、毎日毎日1バーツ(3円)の単位まで記録しなければいけない先生は本当に大変ですが。。


支援先の保育園2箇所でも同じような制度を取り入れているようです。でもその対象は年長さんだけです。 来るべき小学校入学の際の費用負担の準備のためですが、保育園の場合は、貯金箱を使い、毎日貯められる額を保育園の貯金箱に入れる方法を取っています。 この方法では現在の総額は定かではありませんが、随分と手間は省けるでしょう。

この内一箇所、丘の上のリス族の村にある保育園で事件が起きました。貯金箱が全て盗まれてしまったのです。 

すぐに警官が呼ばれ、村人が召集されました。取調べをするまでもなく、‘犯人’は村の小学3・4年生だと分かっていたそうです。子どもの仕業ということで、警官はここで身を引き、その始末は先生と村長に委ねられました。 お金を貯めていた保護者に聞いた結果分かった被害総額はおよそ1,700バーツとのこと。
 
最初から‘犯人’が推定できているにも関わらず、警官を呼び出す等の対処法は一見ドラスティックと捉えられるかもしれませんが、先生の立場からは致し方のない方法だったと思います。

というのは、この保育園と先生は村民にとって保育園の枠には収まらない存在だからです。先生自身は生粋のタイ人ですが、リス族のコミュニティーにとけこみ、地域振興に尽くしているからです。お正月、クリスマス、遠足。どんな保育園行事でも保護者に声をかけ、その度に『洩れなくついてくる保護者』。いやその範囲にとどまらず、村人全員が参加というのが常です。

そんな努力をしているからこそ、盗難というような事態はコミュニティー全体の問題として取り上げたのでしょう。今回も村人全体で今後の子どもへの接し方や再犯防止の対策が話しあわれたそうです。

昔日本にもあったという、『恐い近所のご隠居さん、おばさんたち』がしつけをする、という環境がまだここにはあります。
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by karihaha | 2013-07-12 21:14 | ブログ | Comments(0)

進路

私の知っている山岳少数民族やビルマからの難民の人々の大半は、いわゆる3Kの仕事で生活の糧を得ています。そういった現状から抜け出す一助になればというのが、私の奨学生たちの大半の出自が前出のグループに属している理由です。


スクサ・ソンクロ(政府系福祉寄宿学校)の生徒たちの進路はどうなっているのか興味がわき、進路担当の先生に尋ねてみました。この学校は小学校から高校まで900人ほどの生徒の学びの場ですが、興味があるのは高校を終了した生徒の進路です。 というのは私の知る限りでは山岳少数民族が最高学府を終了するのは、まだまだ少数であるということがあります。しかし現実はどうなのか?


先生によると卒業生の半数ほどが進学するとのこと(正直言ってこの数字は意外でした)。しかしその進学先は各県にある教育大学の週末クラスで、月~金は商店やレストラン等に勤めて学費と生計費を賄っているとか。やはり全日制の大学生はごく少数しかいないようでした。家庭環境からいたし方ない選択なのでしょう。 特にビルマ難民を始め、タイで生まれても国籍のない学生は高校の履修証明が出ない上、学生ローンの道も開けておらず、進学など殆ど不可能だとか。


私の奨学生の一人にモン族の女学生がおり、彼女は今年から全日制の大学で学び始めましが、彼女はタイ国籍があるだけまだマシと考えるべきなのでしょうか
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by karihaha | 2013-07-10 19:56 | ブログ | Comments(0)

治療再開

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顔にあざのあるデーンもこの5月から晴れて小学校1年生になりました。 

バンコックのチュラロンコン大学病院でのレーザー治療は4月の一回を最後に中断していましたが、今月再開とのことで、今週始めに身体チェック、そして来週は2回目の大きなレーザー照射になります。 

治療支援をしだしたのが去年の暮れ近く、その内容は交通費と滞在中の食費。その他の経費は治療費の国民健康保険で一回30バーツ、そして宿泊費は家族がクリスチャンのため、病院近くの教会で無料ということで、この件に関する家族の金銭的負担は殆どなく、あえて言えばバンコックへの付き添い中の父親の日雇い賃金が入らないということでしょうか。


かれこれ5-6回のバンコック通い後のデーンの身体的変化はまだ際立ったものではありませんが、父親は以前は患部がもっと腫れていたということです。そう言えばそうかもしれうません。いずれにしろ『牛歩のような歩み』であっても、快方に向かっているのだと信じるしかありません。

付き添いの父兄も大変です。検査と言っても主治医との問診は5分ほどで、そのためにチェンマイ・バンコック間の夜行バス10時間で往復するのです。しかし、これからも治療のための欠席が続くだろうと、小学校へ挨拶と説明に行ったとき、久しぶりに会った父親の変わらぬ熱意にホッと一安心。
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by karihaha | 2013-07-07 16:15 | ブログ | Comments(0)

スクサ・ソンクロ

スクサ・ソンクロ(政府系福祉寄宿学校)の生徒たちには食事はもちろん、制服・学生用かばん・靴等々が無料で支給されます。つまり保護者の負担になるのは私服、衛生用品やお小遣い等に限られるため、貧しい家庭環境でも本人と親にその気さえあれば、小学校から高校までの教育機会が与えれています。

ただその目的が『義務としての教育』、つまりどちらかと言うと、どんなに貧しくても平等に勉強の機会が与えれるべきである、という理念が勝っているのと、貧しさゆえに他の教育機関では費用面の負担がおぼつかないという生徒が大半で、ある程度の経済環境で、『教育の質』を求めがちな生粋のタイ人の選択肢には入っていません。

その上、貧しさゆえの盗みやいじめも横行しているためドロップアウト率が高く、休み明けの生徒数の減少が顕著だとか。


日用品の経費を支援しようと寄宿舎の先生に、Memeeがきっかけで知り合った子供たちも含めて、数人推薦してもらうようお願いしました。こちらからの条件は小学校高学年の子供で、性格の良い女子ということだけ。小学生にしたのは、タイの場合、よほどの場所でなければ置かれている小学校へも自宅から通えないほどの家庭環境だろうと。


面接も終わり先生との雑談の中で、現在支援している中3のリス族の少女を高一から預かってもらえないかと打診しました。 彼女の住む村には保育園から中3までの公立の一貫校があり、来年からの高校への進路の相談に乗っている中、その可能性の一つとして聞いてみたのです。彼女の住むチェンダオという地域柄もう一つ同様の学校がありますが、出来れば私の住むチェンマイに近くて、先生とも気心が知れている方が良いという思惑でした。

答えは『難しい』というものでした。ありていに言えば『縄張り』のようなものがあり、越境は難しいと。もっともな話ですが、言外に『生徒の争奪』のようなものがあり、少し驚きました。

生徒数の増減に神経をとがらせなければならないとは意外ですが、いくら費用負担がないからと言って、『教育の質』を求めるのはタイ人ばかりではなくなってきたと言うことでしょうか。
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by karihaha | 2013-07-03 00:03 | ブログ | Comments(0)