Vホームから口唇口蓋裂の男児が入院してきた。近々手術が行われるのだろう。
アームと同じぐらい、いやもっと男前ちゃんかもしれない、生後7ヶ月の彼の泣き声のすごいこと。身体全体が怒りの爆弾のように真っ赤になり、震えながら泣いている。
お腹がすいているからだろうと推測は出来ても、どうしてミルクを飲ませればいいのだろう。
Vホームでこの状態でしばらく面倒を見ていたのだから、哺乳瓶が吸えるのではと思い口にあてがったが、飲むはしから流れ落ちてしまう。
一計を案じて、注射器で口に流し込むとうまくいった。
息を切らしながら飲んでいる。
可哀想に。
あっという間に4オンスを飲みきると、とたんに静かになった。
彼を入れて5人。ちょっと疲れ気味の体調にはきつい。
「逃げよう」
予定通りジョムトンへ向かう。