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「トータル ミスマッチ」

「トータル ミスマッチ」_c0071527_4322099.jpgアメリカ人D氏、彼のタイ人スタッフ2人に同行していただき、県庁内の社会福祉事務所に行った。

 もう4回目の訪問の今日、セームの処遇について何らかの結論が聞かせてもらえるかもしれないと、緊張が抑えきれない。

 開口一番、盲人との話し合いの顛末を聞くと、社会福祉士の説得が功を奏して、盲人がセームを施設に預けることに同意したとの報告を受けた。


 苦労の甲斐があった。これで今までの堂々巡りの危惧の一つから開放される。一人の子どもにとってはどう考えても最悪の居住環境という状況でも、ひょっとしたら‘親子’の絆、幼な子の気持ちが優先されるかもしれないという思いがあった。

 Gホームについての話も、持ち込んだ資料やD氏の説明で現実性を持って受け止められたと思う。

 今回の目的の一つでもある、D氏が立ち上げ中の施設の紹介も、氏の人柄も相まって良い感触で受け止めてもらえたようだった。


 しかし、セームの最終的行き先やD氏が希望する、3-6才の子どもの引き取りはいずれにしろVホームに決定権があり、そこを避けて通ることが出来ない。

 担当者から電話を入れて貰い、その足でVホームへ向かう。Vホームの事務所では、顔見知りのスタッフたちが、今日は何をしに来たのかと興味津々で遠くから見やっている。こんなことでもなければ、極力足を踏み入れたくない場所なのだが…

 多分に私の個人的な経験がそう思わせているのは承知の上で、この場所の印象をあえて一言で言うと、「トータル ミスマッチ」。笑顔を見せない、感情を押し殺したような表情の役人と、ミルクの匂いがする柔らかい肌の乳幼児のイメージがどうしても合わない。


 今日の訪問も、全ての決定権を握る最高責任者が出張中とのことで、応対した社会福祉士にGホームの資料を渡し、簡単に主旨説明をするだけで終わった。

 Gホームの施設長と直接話してもらえれば、と携帯電話番号を教えようとすると、「Gホームのほうからかけて欲しい」と言われた。

 「用事があるなら、かけて来い」

 官僚主義の象徴とも思えるこのような些細な経験も、その影響が及ぶ先は子どもたちであることを思うと、暗澹たる気持ちになる。
by karihaha | 2005-07-12 04:35 | ブログ | Comments(2)
Commented by asian-life at 2005-07-12 11:42
ほー!!現場以外での、苦労も多いんですねえ。
気分をかえて!! 元気にね!!
Commented by karihaha at 2005-07-13 03:37
「Vホーム」、内情を知れば知るほど、理解しがたい存在になっていきます。そんな相手との交渉は、例えていえば取っ手のない高い壁を素手でよじ登り、越えるような気分ですね。滑り落ちない工夫は?
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