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小児病棟から(130) 自己満足

 ゲームが帰ってしまい、心にポッカリと穴があいたような、何かが終わったような気がしていたのだが…


 今日のN県立病院での‘私の患者’はパク一人。彼女の足首の傷にも肉がつきだし、退院も真近いのではないかと思われる。彼女とはもう1ヶ月以上の付き合いになる。帰ったら寂しくなるだろうな。

 それより以前に気になるのは、一度面会に来たきりの母親のこと。これだけパクに‘興味(親にこの言葉遣いが適切なのか?)’を示さないとなると、このまま何も行動を起こさずに帰してしまうと、また同じ運命をたどるのは目に見えている。


 そんなことを考えていると、午後になって次々と‘私の子ども’たちが入院してきた。Vホーム4人。それ以外1人。てんてこ舞いで対応する。合計6人分のおしめをたたむだけでも2時間を費やしてしまった。

 畳みながらふと見ると、看護助手が椅子に座ってダベっている。

 「私はあんたらを楽にさせるために来てるんちゃうでー」

 ここでタイ人のメンタリティーという論題に結びつけるには、もう経験を積みすぎてしまった。

 『あきらめ』

 ストレスを道連れに、そのまま仕事を続ける。


 一日が終わって病棟を出る夕刻、ぐったりと疲れた身体と頭には、パクの行く末という命題と向き合う気力はもう残っていない。

 時が風化させてしまうかもしれない子どもたちとの出会い。やっぱり自己満足と言われても仕方がないか…
by karihaha | 2005-10-08 01:23 | 小児病棟から | Comments(0)
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