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小児病棟から(7) 心変わり

 名前も知らないその児、再びICU(集中治療室)から病棟に上がってきたとき、看護婦が「M、この子捨てられたから面倒看てね」と言った。

 生後ずっといたICUから2ヶ月前に一旦出たときは、親戚がいた。‘ICU脱出祝い’のごとく、新品のベビー用品が揃えられていた。母親の姿はなかった。

 「親戚は?」と聞いた。「面倒看るつもりだったけど、気が変わったみたい。だからVホームだよね」。

 彼女と一緒に引っ越してきた、縫いぐるみや洗濯を重ねた洋服の数々を置きながら看護婦がそう言った。
by karihaha | 2005-03-04 20:56 | 小児病棟から | Comments(0)
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